罪穢れの浄化の祈りは世界平和の祈り

清浄と世界平和

今回は世界平和を祈ることについて書きたいと思います。

先代宮司は「自国だけでなく世界の平和を祈るのは神道だけだ」と言っていました。そのせいか先代作文の月次祭祝詞には「四方の海には立浪の乱れなく」「四方の国民に至るまで守り恵み幸え給え」と世界平和を祈願しています。

大手神社さん・お寺さんでも「国家泰平」「世界平和」の言葉を掲げて世界平和を祈願しています。

それなのに、小さな神社の無力な私が世界平和を祈っていいのだろうかと悩んでいる時期がありました。それがこのツイートです。

実は、わざわざ祝詞に「世界平和」と入れなくても、常に世界平和を祈っていると考えるようになりました。

それに気づいたのは永田文晶堂の『神道大祓全集』を眺めていた時です。大祓全集なのですが思った以上に祓詞の種類が多くて、なんでそんなに清浄を祈るんだろうと不思議に思いました。

祓詞を唱えてから朝拝をはじめ、祝詞の後に大祓詞と四大信条を唱えています。四大信条とは神道大教で大切にしている4つの言葉です。最近は六根清浄大祓や天地一切清浄祓に一切成就祓を合わせて読んでいます。

神様の世界は争いのない清浄世界です。大祓詞には「八百万の神等を神集えに集え給い、神議りに議り給いて」「荒振る神等をば神問わしに問い給ひ神掃いに掃い給いて」と会議や交渉で解決をします。国譲りの際に多少力比べになりましたが、国民を巻き込んでの争いにはならず、平和的に解決されました。

私たちは神様の世界を目指せば世界平和が訪れるはずです。

「祈る」とは「い」「のる」です。「い」は「いぶき」「いのち」「いきる」に代表されるように「生命力」、「のる」は「宣る」を意味します。祈るとは神様に「私はこうします!」と宣言することです。つまり祓詞を唱えることは「私は神様の世界に近づきます」と宣言しているのと同じなのです。宣言するから清められる。

「神様の世界=清浄世界=平和な世界」

宣ことによって平和が訪れるのだから、ただ何となく読んでいるだけでは「い・のり」になりません。「祈りは宣言なのだ」と心に留めて祓詞を唱えていきたいですね。

今日の祈りが明日への平和につながることを確信して祓詞や大祓詞を奉唱していきたいです。連日報道される被害に心を寄せて希望をもって世界平和を祈りましょう!