9月の二十四節気:白露と秋分

みなさん、こんにちは。残暑が落ち着きだして、少しずつ過ごしやすい陽気になってきました。
雨や風が多くなる頃ですので、お出かけの際は傘やちょっとしたお菓子など持ち歩くようにしてくださいね。
九月は長月といわれ、夜長月の略と言われています。日が長かった夏から、だんだんと日が短くなり夜が長くなることを感じる月と言われています。
また、稲作と結びつけて「稲刈り月」や「稲熟(いねあがり)月」がなまって「ナガツキ」とよんだと国学者が提唱しています。
長月の他には建戌月(けんじゅつげつ)、玄月(げんげつ)、菊月、祝月などといいます。
9月の二十四節気は白露と秋分になります。
白露は秋分の約15日前にあたり、天文学的には太陽が黄経165度に達するときを指します。
「白露」とは草木に宿る白い露のことで、朝晩の空気が冷えはじめ、秋の気配を感じる頃です。野山の草花に光る露が、いっそうの秋趣を添えてくれます。
- 草露白 くさのつゆしろし
- 鶺鴒鳴 せきれいなく
- 玄鳥去 つばめさる

9月の中気である秋分は、太陽が黄経180度の秋分点を通過する時です。昼と夜の長さがほぼ等しくなり、太陽は真東から昇り真西に沈みます。
この日を中心とした前後3日間を「彼岸」と呼び、先祖を敬い、亡き人を偲ぶ期間とされています。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、残暑も和らぎ、秋らしい気候へと移り変わる頃です。
二十四節気は中国で生まれた暦であるため、日本の気候とはずれが生じることもあります。近年は温暖化の影響も加わり、季節感に変化を感じる場面もあります。
- 雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ
- 蟄虫坏戸 むしかくれてとをふさぐ
- 水始涸 みずはじめてかるる
私はパンを作るのが好きなのですが、以前、天然酵母を起こすときに境内の露草に宿る露を使ったことがあります。
露はほんのひとしずくですが、そこには目に見えない生命が息づき、発酵の力を与えてくれました。白露の季節に草花の露を目にすると、その小さな命の営みと、天からの恵みに自然と感謝の気持ちがわいてきます。
