二月の二十四節気:立春と雨水

今年の節分は2月2日で、ニュースによると明治30年以来の124年ぶりとのことです。(https://www.asahi.com/articles/ASP1Z630MP1YULBJ00S.html?msockid=168ce517ca8f643621f1f6e7cb0665e5)節分とは立春・立夏・立秋・立冬の季節が変わる前日を節分と呼んでいますが、特に立春の前の節分をさしていうようになりました。大晦日の宮廷では罪穢れを祓い除く大祓と追儺が行われていました。追儺は「鬼やらい」ともいい、後に民間に伝わり今の豆まきとなりました。「魔が滅する」の意味の豆を、災難や疫病など自分の中にある暗い部分が投影された鬼を追い祓うために家の中から外に向かって豆を撒きます。最近では鬼を疎外せずに「鬼はうち」と言うところが増えているようです。
2月の二十四節気は、寒気が弱まり春の陽気が入り、だんだんと暖かくなっていく様子を表す「立春」と「雨水」となります。
旧暦では「立春」を一年のはじまりとしていました。色々な書物に「旧暦では立春を一年のはじまり」と書かれており「正月元旦が立春であったのかな?」「元旦を祝わないで立春を祝ったのかな?」と困惑します。旧暦とは明治5年まで使用されていた月の満ち欠けを基準としていた暦で、二十四節気は太陽の運行を基準としています。正月元旦が立春であった、もしくは元旦を祝わないで立春に祝ったのではなく、大晦日にする神事や行事を考えるとどちらも大切にしていたと考えたほうがよさそうです。農作業の節目や暦の雑節にある八十八夜、入梅、土用なども立春が基準となっています。現代なら新年と新学期の感じにあたるでしょうか。
- 初候:東風解凍 はるかぜこおりをとく
- 次候:黄鶯睍晥 こうおうけんかんす
- 末候:魚上氷 うおこおりをいずる

2月18日あたりに迎える「雨水」は雪が雨に変わって降り始める、または今まで降り積もった雪や氷が解け始める意味です。雪解けの水によってぬかるんだ土を春泥とよびます。この頃に降る雨が草木の発芽を促し若葉の芽が見えてきます。春の木の芽が出る頃を「木の芽時」といい、この頃に降る雨を「木の芽起こし」といいます。昔から雨水は農耕を始める準備の目安となっています。
また、春一番とは春の訪れを知らせてくれる気象用語で、気象庁が毎年発表しています。立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強風をさします。なんとなく穏やかなぽかぽかした雰囲気のある用語ですが実際は春の嵐です。日本海に発生した低気圧によって嵐や強風がおこりやすくなります。
雪が降る地方では雪解けの季節が一番嫌だと聞きました。しかし、「春泥」や「木の芽起こし」のは嫌な気持ちよりも春の喜びが勝っている言葉であると思います。春を知らせる言葉は気持ちまで柔らかくしますね。
- 初候:土脉潤起 つちのしょううるおいおこる
- 次候:霞始靆 かすみはじめてたなびく
- 末候:草木萌動 そうもくめばえいずる
