五月の二十四節気:立夏と小満

5月15日境内のようす

みなさん、こんにちは。暦の上では夏をむかえましたが、最近の夏を「夏」と思うようになった私たちにはまだまだ夏とは感じられないかもしれません。爽やかな風に清々しい森、少し動くと眩しい光りに夏を感じますね。新学期や新年度を迎え一ヶ月が経ちましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、五月の二十四節気はGW中に迎える立夏と小満です。
五月は「さつき」といい、この「さ」は稲の精霊を表していると考えられており「早苗」「早乙女」といった稲に関する言葉に表れています。「さくら」も「さ」と「くら」にわけられ、稲の精霊が依り代となる木といわれています。

春の土用期間が明ける立夏は、夏の気が立つ頃です。柔らかかった木の芽が生長し少しずつ丈夫になり、いっそう葉を生い茂らせます。蛙がいっせいに鳴き、空にはツバメが舞い、ミミズが地中よりはいでる頃、立夏を迎えます。
動物たちだけでなくお米や野菜の苗を植える時期となり、忙しくなります。5月5日は「子どもの日」ですが、陽数を重ねた日は罪穢れを祓う重要な日と昔から考えられています。そのため、菖蒲湯に入って邪気を清め無病息災を願います。疲れた体には菖蒲の爽やかな香りが心身をリフレッシュさせます。ただし、花菖蒲と葉菖蒲では種類が違いますので、葉菖蒲を使いましょう。
 菖蒲から「尚武」「勝負」となって武家社会に広がり、立身出世を願う鯉のぼりや兜を飾り、柏餅やちまきを食べてお祝いをしました。柏の木は新しい葉がでるまで古い葉を落とさないため子孫繁栄を象徴しています。ちまきは中国の詩人・屈原を供養するためにつくられたものと言われています。

  • 蛙始鳴(かわずはじめてなく)
  • 蚯蚓出(みみずいずる)
  • 竹笋生(たけのこしょうず)


 五月のもうひとつの節季である小満は、神気が天地に満ち始め万物が勢いよく生長することから小満といわれています。麦の穂が生長しいよいよ刈り取りの時期を迎え、今年は5月31日は七十二項の「麦秋至(むぎのときいたる)」となります。
気象的には雨が多くなり「梅雨」となる地域があり、5月15日に行われる京都三大祭りのひとつである「葵祭」も長雨が由来です。欽明天皇の時代激しい風雨が続き、農作物が不作となり困窮したため、神託により鈴をつけた午に勅使を乗せ、賀茂神社に走らせたところ風雨が治まったことから毎年続けられている祭です。葵は雷と地震の厄除けになると信じられており、牛車や祭員の衣冠に飾られ、後に祭の名前の由来となりました。

  • 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
  • 紅花栄(べにばなさかう)
  • 麦秋至(むぎのときいたる)