四月の二十四節気:清明と穀雨

みなさま、こんにちは。
四月七日から二泊三日で実家の片付けに言ってきました。行きの新幹線の中から桜の景色を楽しむことができて、この時期の移動はいいものだなと思いました。でも残念ながら、境内の桜の満開を楽しむことは出来ませんでしたが、今年も立派に咲いてくれましたよ。
「断捨離」が一般的になりましたね、小学生の頃に他界した祖父の日記やコレクションしていた切手やコインなどもあり、生前に自分で片付けておくことの重要性を感じました。祖父は絵を描くのも趣味で、また祖母は俳句が趣味で旅行のチラシや新聞の切り抜き、メモなど紙類が沢山あります。父のレコードや私たちの本や漫画など、まだまだ処分する物が沢山です。思い出を処分することは冷たく感じますが、思い出を抱えていたらキリがないですね。家族が生きた証は生きている間に残して、残せないならば諦める、そういう潔さも必要なのではないかと思いました。
さて、四月は入園式・入学式・入社式に新学期とお正月とはまた違う、新しい事への希望と不安が混じる月ですね。学校や会社を卒業した人でも桜を見ると、どこかワクワクした気持ちになります。今月の二十四節気はそんな気持ちが反映したような清明と穀雨です。四月四日に清明の節、二十日に穀雨の節を迎えます。
清明は「清浄明潔」を略した物で「万物ここに至って皆潔斎なり」と称されるように、春先の清らかで生き生きした様子を表したものです。春の陽気が満ちて桜や草木の花が咲き始め、清らかな気が満ちあふれる陽卯を表しています。
中国には清明節というお墓を清め、先祖を供養する日と定められた祝日があります。新しい生命の誕生に喜ぶと同時に先祖への感謝を示す日と定められました。それが沖縄に伝って清明祭(シーミー)となり慰霊祭が行われます。
この頃になるとよもぎ餅が店頭に並んでいるのを目にします。蓬の爽やかな風味がとても好きで、見つけるとついつい購入してしまいます。蓬の青々した生命力を頂き、蓬も小豆が邪気を祓う効果で元気よく過ごせる気がします。
- 初候 玄鳥至 つばめきたる
- 次候 鴻雁北 こうがんきたへかえる
- 末候 虹始見 にじはじめてあらわる
穀雨とは百穀を潤す春の雨をいいます。春は雨が多く、季語の「春雨」は春にしとしと静かにけむるように降る雨のことを言います。この雨が田畑を潤して穀物などの種子の生長を助けると考えられたため種まきに良い季節となったことを表します。
いよいよ春爛漫で華やかな花がさき、各地では祭りが催されます。つつじで有名な根津神社、上野東照宮のぼたん苑、千葉県内だと茂原の牡丹園が有名です。牡丹は漢方の生薬として活用されたため薬師寺に多く見られるそうです。七十二項にも「牡丹華ぼたんはなさく」があります。
四月十七日から立夏まで春の土用となります。昔から土の神様や土公神が支配するといわれるこの期間は「土いじり」を避けられていました。ガーデニングくらいは良いと思いますが、土の神様、木の神様、自然の恵みを与えてくださる神様に感謝する期間と考えられて大きな土いじりなどを慎んではいかがでしょうか?
- 初候 葭始生 あしはじめてしょうず
- 時候 霜止出苗 しもやみてなえいずる
- 末候 牡丹華 ぼたんはなさく
